第5章 火災に備える
3 発生時の対応
(1) 消火する
(1)  火が出たら、まず消火を
 火元から障害のある人を遠ざけ、初期消火をします。
 隣近所にも知らせ、互いに協力しながら消火にあたります。
消火器は、風上に立ち直接火にかけるのではなく、まわりから炎をおおうように使用します。ただし、消火器で消せるのは、天井に火が移るまでです。
粉末消火器は、再燃することもあるので、消したあとの処理を十分にします。
水は、火の上から一気にかけるか、火に叩きつけるようにします。
消火器や水が間に合わない時は、身近な物を活用するなどして消火します。
カーテンは引きちぎる、ふすまは蹴り倒すなどして消火します。
毛布で火をおおったり、座布団で火を叩いたりするなど身近な物を活用します。
油鍋に火が入ったときは、シーツなど広い布をぬらしてかぶせ消火します。
 (油鍋がひっくり返らないよう、充分に注意しましょう。)

(2) 避難する
 初期消火が可能なのは、火災が発生してから約3分程度までで、火が壁やふすまなどの立ち上がり面にある間だけです。
 天井に火が移ると、フラッシュオーバー(室内のすべてのものが発火温度に高められ、局部的だった火が室内全体に急速に広がる現象)の危険があるため、消火をやめて、指示、誘導するなどによりできるだけ早く避難させます。
 避難には、火の進む方向や火のついた物の落下に注意しながら、壁などをつたい、身を低くするよう声をかけ、煙に巻かれないように一緒に脱出します。
 安全な場所に避難できたら、家族や緊急連絡先などに知らせておきます。