【参 考】
◎非常用持出袋の準備 
 1人に1個ずつを基本に、家族構成に合わせて準備します。
 非常用持ち出し袋の中身は欲張らずに、1人に1個
 万一、避難しなければならない時に非常用持ち出し袋は便利ですが、あれもこれも詰め込んで重くならないように必要最小限度にします。
 各自の生活状況に合わせて吟味した中身を必要な分だけ入れておきます。
 車があれば、車のトランクにも1つ入れておくと役に立つことがあります。
 避難時に危険箇所を通ることもありますので、両手が空く物に入れます。
 
◎非常用品・備蓄一覧表
 家の中に備蓄するもの、非常用持ち出し袋に入れるもの、日頃から身につけるものと を分ける。また、屋外の物置等にも備蓄しておくと役に立つことがあります。
 貴重品
 預金通帳・身体障害者手帳(療育手帳、精神障害者保健福祉手帳)・重要書類・保険証・年金証書、免許証は、事前にコピーをしておき、金庫や貸金庫、非常用持ち出し袋に入れておきます。(コピーがあれば、紛失した場合の再発行もしやすくなります。各自の状況に合わせて、貴重品等の保全を考える必要があります。)
 
 医薬品・医療用品
 救急箱・三角巾・脱脂綿・マルチハサミ・消毒薬・包帯・消化剤・風邪薬・解熱剤・精神安定剤・その他障害の状況に応じて必要な医薬品
 
 飲料水(最低2日分程度)・食料品(最低3日分程度)
 保存用缶飲料水・ミネラルウォーター・水筒・乾パン・レトルト食品・インスタント食品・缶詰・栄養補助食品・缶入チーズ・缶入ドロップ・缶入野菜ジュース・缶入チョコレート・梅干し・氷砂糖・粉ミルク
 
 寝具・生活用品等
 寝袋・毛布・座布団・懐中電灯(予備の電池)・石けん・タオル・歯ブラシセット・ウエットティッシュ・ミニトイレ・軍手・ヘルメット・ガムテープ・ロープ・ビニールシート・キャンプ用食器セット・缶切り・栓抜き・ビニール風呂敷・雨具・マッチ・ローソク・生理用品・下着・サラシ布・ランタン・レジャーシート・大工道具セット・ポリタンク・トイレットペーパー・ラップフィルム・簡易コンロ(予備燃料)・携帯カイロ・水のいらないシャンプー・バケツ・なべ・ビニール袋
 
 情報収集機器・その他
 メガホン・携帯ラジオ(予備電池)・笛・ブザー・筆記用具・メモ・貴重品袋・地図・緊急連絡カード・緊急連絡先一覧表・10円玉を含むお金・家族の写真
*携帯ラジオでは、手回し式発電(充電)ラジオが電池も不要で有効です。
 
◎建物の耐震診断と補強
 昭和56年(1981年)に建築基準法の一部が改正され、建物の耐震診断が補強されました。これはひとつの目安ですが、昭和56年以前に建てられた建物は耐震性について チェックが必要だと考えられます。地震で倒れるか、被害をどのくらい受けるかは建物の構造だけではなく、地盤や地形等にも左右されます。
 阪神・淡路大震災では古い建物が多く倒壊しました。そこで、昭和56年以前に建築された家屋にお住まいの方は、まず、家の耐震診断を検討してはどうでしょうか。
 耐震診断は建築士事務所や工務店でも行いますが(有料)、市町村の建築課でも相談コーナーがあります。診断結果に基づき耐震補強をするとよいでしょう。
 また、門柱やブロック塀等の耐震性もチェックし、補強しなければなりません。
 マンションや共同住宅では、管理組合で検討することが大切です。
 2階建て以上の場合は上階に重い家具やピアノ等を置かないようにするなど、地震で家が揺さぶられた時にアンバランスにならない工夫が必要です。
(1)  家具・電化製品の固定
 阪神・淡路大震災の時、家は壊れなかったが家の中の家具や電化製品の転倒により、死亡したりケガをした人が多くいました。
 家の中を安全空間にするには、家具や電化製品・照明器具等をしっかり固定することです。現在、さまざまな固定器具が市販されていますので、家具ごとに工夫して止めてください。
 また、タンスや戸棚に物を入れる場合はできるだけ重い物は下部に、軽い物を上部に収納するなどの工夫をするとよいでしょう。とくに両開きの扉は地震の揺れで開いてしまい、中の物が飛び出してきますので、きちんと止めておく必要があります。寝室には背の高い家具は置かずに、いざというときの安全な空間を確保しておく工夫も大切です。
(2)  ガラスの飛散防止対策
 大きな地震が発生すると停電になります。暗闇の中を素足で避難しようとして、割れたガラスでケガをすることがあります。
 家の窓ガラスや食器戸棚のガラスが割れて飛び散らないようにガラス飛散防止フィルムを貼ることも有効です。また、絵画や人形ケース等はガラスを透明なアクリル板に変えると安全です。 
(3)  家の中の整理整頓
 地震が発生して棚の上の物が落下しないように固定したり、重い物を上に乗せないように整理整頓が必要です。特に避難をしようとした時に避難路の妨げにならないよう、出入口は十分注意して整理整頓する必要があります。
 家の中を安全空間にするには、不要な物を片付けることです。
(4)  非常用品はいつも同じ所に
 懐中電灯は夜光テープを貼り、常に置き場所を決めておきます。また、ヘルメットや靴も必ず枕元にすぐに手が届く決まった場所に用意しておきます。
 消火器具も火元になりそうな所から少し離れた場所に置いておかないと、火災が発生した時に手が届かなくなります。家の中の状態を考えて配置しましょう。
 
◎災害用伝言ダイヤル「171」
 災害が発生した場合、安否の問い合わせなどが集中し電話がかかりにくくなったり、かからない状態になります。これは被災地域での電話が通信設備(回線や交換機)の許容量を超えるため起こる現象です。このような現象は携帯電話でも発生します。
 このため、被災地域内や被災地への安否などの情報を音声により伝言するのが「災害用伝言ダイヤル」です。被災地の人が録音したメッセージを他の地域の人が聞いたり、他の地域の人が被災地の人へ録音したメッセージを送ることで情報の受発信ができます。
 NTTの機械(伝言蓄積装置)が伝言を受け付けますので、一般の加入電話だけでなく、公衆電話、携帯電話、PHSからも伝言の録音や再生ができ、自宅が避難等で不在であったり、停電などにより自宅の電話が使用できない時でも利用できます。
 ただし、録音されたメッセージを自動的に受信する人の電話に伝えるものではなく、受信する人が「災害伝言ダイヤル」を使い再生することにより情報を取り出すものです。
 (利用にあたっては、通話料がかかります。)
 
*災害用伝言ダイヤルの利用方法
「171」をダイヤルし、利用ガイダンス(案内)に従ってダイヤル操作して、伝言の録音や再生をします。
 
◎避難勧告、避難指示
  市町村では、災害発生時における人的被害の発生を未然に防止するため、災害の発生が予測される地域の住民の方に、「避難勧告」や「避難指示」を行います。
 勧告や指示は、防災無線や広報車、電子サイレン、ハンドマイクによる伝達を行うとともに、自治会長などの協力を得て伝達します。
 自治会や防災組織などの協力を得て、組織的に避難誘導が行われますので、指示に従い避難しましょう。
 
*避難勧告
災害の拡大により、危険が切迫し、地域住民を避難所へ避難させる必要が生じたときに発表します。避難勧告は、その地域の居住者を拘束するものではありませんが、速やかに避難するようにしてください。
 
*避難指示
地域住民に対する災害の危険が目前に切迫しているときに発します。
避難指示を受けたら、ただちに指定された場所に避難してください。
 
*自主避難
避難勧告や避難指示のほか、災害が予想される時に、地域住民が自分の判断によって自主的に避難所へ避難するものです。市町村等が指示するものではありませんが、避難所の開放などを行います。