第3章 地震に備える
3 地震発生時の対応(障害別事項)
(1) 身体障害がある人の対応
(1) 肢体不自由な人の対応
ア 家での対応
 避難に備え、補助具などを持つか、身につけます。
 火災が発生したら、「119番通報」をし、身を低くし、煙に巻かれないように脱出します。(初期消火が可能な場合も無理をせず、脱出を優先する。)
イ 外出中の対応
 移動に困難が生じた時は、まわりの人に援助を依頼します。
 移動が危険な状況のときは、最寄りの防災機関等に保護を申し出るようにします。

(2) 視覚障害がある人の対応
ア 家での対応
 テレビ、ラジオや防災機関の広報、伝達の内容に注意します。
 火災の発生に気づいたら、まず、その場を離れ、周囲の人に大声で火災を知らせ、「119番通報」と初期消火をしてもらいます。
 火災発生の呼びかけに反応が無い時は、ガラス類の破片や物の落下音に注意しながら、壁などをつたい、身を低くし、煙に巻かれないように脱出します。
イ 外出中の対応
 周囲の人に大きな声をかけて、まわりの状況を教えてもらったり、安全な場所へ誘導してもらうようお願いします。

(3) 聴覚障害がある人の対応
ア 家での対応
 テレビやCSによる手話・字幕放送、防災機関からのファックスなどに注意します。
 緊急連絡カードなどに、「火災発生や避難勧告など、重要なことを教えてください。」などと書きし、隣近所の人などに見せて情報の提供をお願いします。
 火災が発生したら、初期消火を行うとともに、防災機関への緊急ファックスなどで「119番通報」をします。
 音をたてたり、メモや緊急会話カードなどで、隣近所の人に火災を知らせ、消火や「119番通報」などを依頼します。
イ 外出中の対応
 まわりの人に緊急会話カードを見せたり、筆談などで自分のことを伝え、状況や帰宅経路などを教えてもらいます。

(4) 音声言語機能に障害がある人の対応
ア 家での対応
 火災が発生したら、初期消火を行うとともに、緊急ファックスなどで「119番通報」をします。
 ゆっくり話すか、メモや緊急会話カードなどで、隣近所の人に火災を知らせ、消火や「119番通報」などを依頼します。
イ 外出中の対応
 まわりの人に援助を依頼するときは、ゆっくり伝えるか、筆談やメモで援助を依頼します。

(5) 内部障害や難病等がある人の対応
ア 家での対応
 かかりつけの医療機関に連絡して、状況を把握し、以後の対処の指示を受けたり、連絡してもらうようにします。
 非常用持出袋に入れるなど、日頃服用している薬や器具などを携帯できるよう用意します。
イ 外出中の対応
 できるだけ早く医療機関に連絡し、以後の対処について指示を受けるようにします。自分でできない時は、まわりの人に医療機関などへの連絡を依頼します。
ウ 医療機関での治療中の対応
 人工透析中の場合は、機器とシャント部位がチューブでつながっているので、コンソール(透析機器)と体が離れないようにします。
 停電があり回復不能の時は、チューブの止血を確認してから切断して、あわてず医師や職員の指示に従い定められた場所に避難します。

 《盲導犬、聴導犬、介助犬の使用者》
 建物の倒壊や落下物により、道路の歩行が困難な場合、給付先の団体などに、一時、盲導犬、聴導犬、介助犬を預けます。

(2) 知的障害がある人の対応
 緊急連絡カード、笛または携帯ブザーをもち、事前に決められたことを守り、支援者の指示に従います。

(3) 精神障害がある人の対応
ア 家での対応
 正しい情報を得て、冷静に指示に従います。
 かかりつけの医療機関に連絡して、状況を把握し、以後の対処の指示を受けたり、連絡してもらうようにします。
 非常用持出袋に日頃服用している薬と精神障害者保健福祉手帳を入れます。
イ 外出中の対応
 できるだけ早く医療機関に連絡し、以後の対処について指示を受けるようにします。自分でできない時は、まわりの人に医療機関などへの連絡を依頼します。

(4) 支援が必要な高齢者の対応
ア 家での対応
 避難に備え、杖などを用意したり、防災ずきんなどで身を守ります。
 火災が発生したら、「119番通報」をし、身を低くし、煙に巻かれないように   脱出します。(初期消火が可能な場合も無理をせず、脱出を優先する。)
 非常用持出袋を必ず携行します。
イ 外出中の対応
 移動に困難が生じた時は、まわりの人に援助を依頼します。
 移動が危険な状況のときは、最寄りの防災機関等に保護を申し出るようにします。

*高齢者で、移動が困難や身体的に虚弱などの理由により、自力での避難や必要な情報を的確に把握し行動することが困難な方は、災害発生時には、上記のほか、それぞれの状態に応じて、前記の(障害別事項)の該当項目を参照し、適切な対応に努めます。